私とsomething
将来への漠然とした不安、人間関係における悩み。言葉にならない焦りや葛藤。女子大の先生方はいつも静かにサポーティブに話を聴いて下さいました。言葉に詰まる私にそっと一杯の温かな紅茶を出して下さった先生。真剣かつ軽やかに受け止めて下さる先生。「受け止められる安心感」が私を温かく包み、前を向く力を与えてくれました。在学時に感じたこの「受け止められる感覚」が卒業後も私を支え、励ましています。
コロナ禍で転職を決意。国家試験を受け、社会福祉士の資格を取得。生きづらさを抱える子ども達の支援をしたいという気持ちから児童相談所へ転職。在学時代、話を聴いてもらっていた私が、今は子ども達の想いに耳を傾け、共に考える時間を過ごしています。「想いをもって、相手と向き合う」これは、私が東京女子大で感じ取った「something」なのかもしれません。温かく、アットホーム。おおらかで軽やか。女子大に流れるおだやかな風は、いつの時代も同窓生を励まし続けていると信じています。
「求めなさい。そうすれば、与えられる。探しなさい。そうすれば見つかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる。」(マタイによる福音書第七章七節) 困難に直面した時、打ちひしがれ、立ち上がれない時、力をもらった聖書箇所です。
石井暁子(2011年文理学部哲学科卒)