第1回トークタイムの感想

　今回のトークタイム（＊）では、「夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を称する」こととされている日本の婚姻制度について、根本先生自身の体験も踏まえてお話をしていただきました。私が今回のトークタイムで特に印象に残った点は２つあります。

　1つ目は、研究者という立場ではなく個人としての先生のお話を聞けたことでした。国際人権法は主に平時の問題を扱うということから、武力紛争などを規定する国際法と比べると緊急性が低いとみなされがちですが、今回のトークタイムではそのような客観的な国際法の視点ではなく、一個人としての視点から、氏の変更はその人の人生に大きな影響を与えることを強調しつつ、実際に先生が結婚をする際にどのように話し合いを行ったのかについて具体的にお話していただけて非常に興味深く思いました。

　2つ目は、主に女性が強いられてきた氏の変更について真剣に問題点を述べておられる姿勢についてでした。私は国際人権法を勉強するまで、婚姻の際は主に女性が夫の氏に変更するという日本の慣習について特に疑問を抱いておりませんでした。そして、男性が日本の婚姻制度や慣習の問題点を述べている場面も見たことがありませんでした。そのため、今回のトークタイムにおいて、男性である先生が女性の立場に立って日本の婚姻制度の問題点について話してくださったことにとても感動しました。

　今回のトークタイムでは、授業や研究以外の一個人としての先生の姿を知ることがテーマの一つであり、その点も興味深かったのですが、個人としてのお話を伺うことによって、私生活でも国際人権法や国内法が密接に関係しているということを改めて感じることができて大変興味深く思いました。そして、先生のように大学で学んだ知識を私生活にも活かせたらより充実した生活ができると感じ、学習意欲も高まりました。機会があったら他の先生方のお話も伺いたいと思っております。

グローバル共生社会分野1年　小山留佳

＊第1回トークタイムは2022年7月21日に国際社会学科の根本和幸先生をお迎えして、『「妻の名前が変わった件」について話そう！』というテーマで開催しました。