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-在学生、卒業生、センター開催プログラムの講師、教職員などセンターにゆかりのある方々に、授業の様子、学校生活、仕事、日常生活について、様々な視点から自由に書いていただきます-

エンパワーメント・センター ブログ #2

私と行く、自由気ままなサバイバル旅行

 心配性で優柔不断、石橋を散々叩いた挙句渡るタイミングを逃しがちな私は、そんな人格の荒療治ともいえる一人旅の最中です。休息や趣味は後回し。やるべきことをこなしているはずが、タスクは次々に湧いてきて、追いつかないまま時間が過ぎる。調べて考えて計画するものの思い通りに進まない。周りの目を気にして、その理想に近づこうと躍起になる中で、自分が望むことさえも見失っていました。自分の気持ちにしたがって決める。この課題に挑戦しようと、未知の環境に飛び込む選択をしました。

 日本を出発して6ヶ月。私の性格を考えれば修行とも思えるほど、想定外の連続です。乗り換えのフライトを逃し、深夜3時に空港に到着。携帯電話の通信不具合で、地図アプリが使えない。初めてのアメリカ一人旅中に風邪をひく。3日後から住む家がない!思いがけないトラブルに奮闘しながらも、初めての街を訪れるたびに、次はどんな出会いが待っているのだろう?と絵本のページをめくるような感動を覚えます。

 旅をしなければ知り合えなかったであろう様々なバックグラウンドを持つ人々との会話から、これまで遠く感じていた世界を身近に感じます。うまくいかないこともあるけれど、きっとなんとかなる困ったときに困っていると言えば、きっと誰かが助けてくれる。少しずつではありますが、そう思えるようになってきました。

程よく脱力して、今見えている景色を楽しみたい。今この瞬間の感情もありのまま、自然の一部として味わいたい。

  歴史を感じさせる重厚な建物や、街灯の花かご、のんびりと船の出入りする港が息をのむほど美しく、この景色の中にいられることを嬉しく思います。朝起きて目の前に広がる海を眺め、木の枝に渡した紐に洗濯物を干し、紅茶を淹れて刺繡をする。何気ない日常の一動作が穏やかで、貴重なものに感じられます。自分で選んだこの場所で、毎日を幸せに暮らしています。

影山真奈(2016年国際社会学科経済学専攻卒)