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-在学生、卒業生、センター開催プログラムの講師、教職員などセンターにゆかりのある方々に、授業の様子、学校生活、仕事、日常生活について、様々な視点から自由に書いていただきます-

エンパワーメント・センター ブログ#5

湊晶子 元学長のご講演に参加して

 湊先生が学長でいらっしゃった2006年に東女を卒業しました。

教わった知識を全て忘れたときに残るものがあなたの教養です

 卒業式に湊先生が寄せてくださったこのメッセージを、卒業後15年以上経ちますが今も時折思い出しています。きっと今のことをいうのかもしれない。どんな教養が身についているのか…自問したりしています。そんな折に湊先生が90歳になられ、28歳から88歳までのキャリアを振り返って、東女で講演されると知り、すぐに応募して参加させていただきました。(2022年10月28日)

 在学当時と変わらない美しいキャンパスが迎えてくれ、なつかしい気持ちでいっぱいになりながら、湊先生の講演を聞きました。当時、女性が働く環境も制度も整わない状況で、湊先生はどれほどのご苦労をされながら自ら道をひらき、力強く歩まれたか・・・。60年にわたる湊先生のキャリアのお話に心震えました。以下、湊先生の講演の中から一部ご紹介します。※細かい表現は違っているかもしれません。

「わたしは職場で一度も泣いたことがない。みんなの前では笑顔で。泣くのは家に帰ってから。何度も布団をかぶって一人で泣きました。」

「当時、子育てをしながら働く女性は珍しかったから、嫌味も言われました。でも、アドバイスありがとうございます、と笑顔でかわしていました。」

このエピソードを聴くだけでも、並大抵のご苦労ではないことが伺えます。そんな湊先生からのアドバイスとして、

「現代女性が働くとき、一歩引く人が多いというデータがある。でも絶対に一歩引かずに自信をもって。誰だって最初は経験がない。経験も知識もあとからついてくる。」

そして湊先生の座右の銘で講演を締めくくられました。

Crushed grapes produce delicious wine.  (ブドウは砕かれて、おいしいぶどう酒になる)

「たくさん砕かれておいしいワイン、すてきな人生を作ってください。乾杯。」

私は新卒で入社した会社で今も働いています。子育てもしながら、大変なことも多いですが、一歩引くことなく、砕かれることを恐れず励みたいと思いました。こうした勇気を授けてくれた東京女子大学に通えたことを改めて幸せだと感じています。

             柳澤 亜弓(2006年文理学部英米文学科卒)