学校法人大妻学院 理事
大妻中学高等学校 校長
株式会社ベネッセコーポレーション 顧問

 

1992年
文理学部史学科卒業

 

東京女子大学創立100周年おめでとうございます。
女子高から女子大学に進学し、女性が比較的多い会社に就職し、現在は女子大の理事、女子中高の校長をしております。

振り返ってみれば私のここまでの人生は、女性の輪の中で伸び伸びと切磋琢磨し、協働の心や社会で通用する軸を作り上げてきた半生だったかと思います。

 

バブル期に女子大生になり、当時文理学部長でもあった大隅和雄先生のゼミでした。大好きな歴史の本や世界にどっぷりつかり、毎年秋には史学科の仲間と古都や正倉院展を訪ねたり、春休みや夏休みにはアルバイトで貯まったお金を全額海外旅行に費やし、グルメや史跡めぐりを楽しみました。

年の瀬のメサイア公演、サントリーホールの舞台にたってオーケストラとともにコンサートに関われた感動は今でも忘れられない思い出です。

 

大学で学んだことは少なからず社会でも役に立っています。東女が拘るリベラルアーツは教養のベースであるし、専攻した史学というのは過去を考察しつつ未来に起こりうることに備えができることがあります。

いつの世も人の性は変わらないもので、大局的に世の中や人間関係を紐解くのに歴史学というのはユニークな解をもたらしてくれるものです。   

 

私は社会人になった後に子育ても落ちついた40代で再度大学院生として早稲田大学の商学研究科に通いました。共学と女子大の時間の流れ、キャンパスの雰囲気の違いを改めて知ることができて有意義でした。

学生の頃から大好きだった海外旅行は毎年続けており、年齢の数だけ世界の国を旅する目標を自らに課していますが、なかなか未踏の地に踏み込む機会は減り現在42か国、目標にあと6及ばず、といったところです。

 

100年の節目を迎えた東京女子大学は学部改組なども経て時代の変化に対応しながら改革に取り組まれていることと存じます。

武蔵野の豊かな自然の中で、次世代を担う女性リーダーの育成にさらなる貢献をしていっていただきたいと思います。

 

東女で学ぶ皆さん、卒業したら「先生」はいません

教師のいない時代を生き抜く、しかも人生100年時代と言われる長い旅を支えるための基礎的な教養、専門的な学びを深め、生き抜くための武器を東女で身に着けてください。

 

複雑性や曖昧性が当たりまえの変化の時代
その中で大切にしたいのが「自分自身を見つめる強さ」
そして多様な価値観と出会い、変えること、変えない部分を見極めながら、自らを改革し変容していける強さ。

しなやかな「自分」を環境や時代に応じて作り続けていくことが求められるようになります。

自分の夢は自分にしか描けない。自分を変えていけるのは自分だけ。
夢に向かっていま足りていないことがあれば、どうしたらそれは解決されるのか? もがいて、もがいて、望んで、望んで、行動できた人こそが成功するのです。

 

最後に、私自身の野心でもありますが、日本初の女性総理大臣は母校であります東京女子大学からか、いま私が携わっている女子高出身者であってほしいと!(笑)

皆さまの益々のご活躍、東京女子大学のさらなる発展を祈念いたします。