シンガーソングライター

2011年 文理学部英米文学科
   

「トンジョって、知ってるか?」

東京女子大学(以下 東女)の存在は、高校3年時の担任から勧められて知りました。生徒会長をしていたわたしは、一瞬一瞬に懸けるように、目の前だけを見ていたため、進路もまともに考えず、目指すべき大学がわからずにおりました。ずっと男女共学だったこともあり、女子大学とはどんなものか、正直不安もありました。
しかし、オープンキャンパスで善福寺へ訪れた際、目に飛び込んできた鮮やかな緑と堂々たる建物の佇まい、チャペルの美しいステンドグラスに惹かれ、リベラル・アーツ教育にも興味を持ち受験を決意。運良く推薦で入学することになりました。

現在のわたしの仕事は、歌をうたうことです。
作詞作曲をし日本全国、どこへでも唄いにいきます。
TVCMでは「積水ハウスの歌」の歌唱を担当。
台湾でのライブやCDリリース、ロサンゼルスでのレコーディング、
フィンランドやドイツでの撮影など海外にもいくつか訪れました。
また、ナレーションやラジオのパーソナリティもしています。

東女での学びとは一見、結びつきがないように思えますが、
学内の軽音サークルに入り、様々なコピーバンドでステージを経験したことや、同じクラスの友人がわたしの唄を偶然耳にしたことから、オリジナルのバンドを組むようになり、「曲をかいてみたら?」と勧められ、作詞作曲に取り組むようになったこと。そして何より、卒業の半年後、縁あって吉祥寺にある音楽事務所と出逢ったこと。
現在に至るすべてが、東女に入学したことからスタートしているように思えます。
東女が自由にわたしを生かしてくれたから、東女が落ち着いた個性あふれる女性たちを守ってくれたから、今も自分らしく好きなことを仕事にできていると思います。

好きなことを仕事にしていても、様々な困難は訪れます。
しかしそれを乗り越えるほどの「好きである」という強い気持ちが、
常にわたしを突き動かします。自分の表現したものが相手の懐に届くということは、なにものにも代えがたい無上の喜びであり、人に出逢うことで自らが育ち、視野が広がり、生きるすべての物事が”意味”を持つようになります。そして、すべての繋がりに感謝をしています。

東京女子大学創立100周年、本当におめでとうございます。
緑豊かな学び舎で、ひとりひとりがそれぞれの個性を持って成長し、
次世代を担う女性がたくさん輩出されてゆきますよう、願っています。