はたらくちかラボ代表

1976年 文理学部英米文学科卒業

 

 

卒業後に働き始め、定年を迎えるまで複数の企業で仕事をしてきました。
この間にたくさんの扉をたたき、時には快く扉を開けてもらい、時には目の前でバタンと扉を閉められたり、「扉をたたく旅人」のような仕事人生でしたが、失敗をしながらもいろいろなことにチャレンジすることができました。

女子大に入学したのは1972年。女性の大学進学率はまだ低く、高校も女子校だったので、共学の大学で男性の中に埋もれるよりも女子大のほうが自分に合っているかもしれないと思っていました。

1年ちょっとだけ活動したQGS(*1)のこと、1年生の特ゼミ(*2)の仲間との学科を超えたつながり、当時同窓会が主催していた英文速記のクラスに一生懸命通っていたこと、そんな断片的な思い出はあります。でも何かにすごく熱中したとか、とても楽しかったということは正直あまり覚えていません。今から考えると少し地味な学生生活でした。英米文学科に進んだので英語はしっかりやろうという気持ちがあり、本を読むことも好きで、英語の原書も頑張って読んでいました。卒業後も英語を使う環境で仕事をしましたが、英文卒なのに英語が話せない、聞き取れない、という残念な状況がかなり長く続きました。

30代になり自分自身の仕事のために本格的に英語を使うようになった時、「けっこう話せるかも!」と気づきました。女子大時代に英語の「インプット」は相当していたので、多分機が熟して話すという「アウトプット」が自然にできるようになったのではないかと思います。

長い間企業で人事の仕事をしていたので、今は働くことやキャリアという私のライフテーマを自由に追い続けています。同窓会の理事も務めているので、在校生の様子を見聞きすることもあります。

世の中が求める様々な水準が上がった社会の中で勉強や就職活動をする今の学生は、以前とは違った難しさを感じているかもしれません。多すぎる情報に惑わされることなく、親や大学の先生などの身近な人以外の大人とも接して、話をして、多様な人生の選択肢があることを知って欲しいです。

「“学ぶことを学ぶ”力」ということばを東京女子大の大学案内で目にしたことがあります。
大学での勉強は学びの終着点ではなく中継点。学ぶことができるというのは、人生を生きるための究極のスキルです。学び続けることのできる人をこれからもたくさん世の中に送り出していただきたい、そう思っています。

 

*1 Queen’s Garden’s Society:英語会。大学創立の頃から続いている伝統あるサークル。
*2 特ゼミ:当時、文系学科は入学時には専攻が決まっておらず、1年次は特ゼミと呼ばれたゼミに所属。2年次から各学科に分かれた。