株式会社エフピーウーマン代表取締役
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
1998年 文理学部史学科卒業
「女性とお金の関係をよりよいものにしたい」。そんな想いからエフピーウーマンという会社を立ち上げたのが2005年の春のこと。卒業と同時に出版社に就職し、編集者を経てフリーランスに転身してから数年後のことでした。そこから15年が経ちますが、現在も、経営の傍ら、執筆、講演、ラジオのレギュラー番組への出演、そして自社で行っているカウンセリングやスクールなど、様々なチャネルを通じて、ひとりでも多くの女性にお金を人生の味方につけてもらうためのサポートをしています。

著書の数々。気づけば40冊以上に。
そんな私ですが、大学時代は史学科、それも東洋史専攻。卒論では、インドのカースト差別とそれを取り巻く家族法についてまとめました。当時は自分が将来、「お金」をテーマにした職業に就くなんて、ましてや起業するなんて、想像してみたこともありませんでした。でも、今になって振り返ると、ずっと「女性」という視点にこだわって仕事をしてきたのも、大学時代に多くの教養科目や建学の精神を通じて「女性としてどう生きるべきか」ということを深く考える機会をいただいたことが原点にあったからだと感じています。
学生時代の思い出といえば、もう少しで卒論が完成、というところでワープロが壊れ、フロッピーに保存していたはずのデータも消え、満身創痍でなんとか期限ぎりぎりに提出したことでしょうか。封筒に入れた卒論を無事に提出した瞬間の安堵の気持ちは、今でも昨日のことのようにリアルに思い出すことができます。

丸の内にあるオフィス。クリスマスの季節には、 夜になると仲通りのイルミネーションが輝く。
あれから20余年。ワープロも、フロッピーも、もはや過去のものになりました。あと10年もすれば、パソコンで原稿を書くなんていうことすら時代遅れで、卒論もスマホで音声入力をするのが当たり前の時代がやってくるかもしれません。そんなふうに猛スピードで社会が変化を遂げ、多くのものが誕生してはあっという間に消えていく世の中にあって、100年間、変わらずに在り続ける。創立100周年、改めて本当にすごいことだと思います。
ここから次の100年、社会はきっと変化のスピードをさらに加速化させていくことでしょう。そして、そんな変化の渦の中だからこそ、「自分がどうありたいのか」を考える力がより大切になってくるように思います。
私自身が学生時代に「女性としてどう生きるべきか」という人生の命題を与えていただいたように、東京女子大学が、ひとりでも多くの女性に人生を共にできる命題を与える場所で在り続けることに期待しています。