特定非営利活動法人 GOOD JOB 理事長
1987年
文理学部心理学科卒業
ガーデニングが趣味の私は今日で55歳。夏休み最後の日に生まれ、いつも夜遅くまで宿題をしていた私は、今も〆切を前に(*)原稿を書いています。何年経っても変わりませんね。
1983年の東京女子大学の試験日は雪でした。心理学を勉強したいという思いだけで受験校を選んでいたので、母が「こんな大雪なのに行くの?」と意外な感じで送り出してくれたにもかかわらず、私自身は「絶対行かなければ」と何かに導かれて受験したことを覚えています。
そして1987年卒業。バブル真っただ中、そして男女雇用機会均等法ができた年だったので、就活は苦労もなく3週間ぐらいでいくつかの内定をいただきました。
野村證券に就職した私は、その後メリルリンチ証券会社に転職をし、NYで働くために必要なアメリカの証券外務員資格も取得しました。
NYの研修では、ウォール街の本社に出勤し、朝食のベーグルを食べながらNYの絶景を眺め、もっと上を目指して頑張りたいと思ったものです。
しかしアメリカンドリームは叶わず28歳で結婚。29歳でダウン症の長女を出産。気がつくとまったく違う道を歩んでいました。
人の縁は不思議なもので、縁のある方とは人生何回も違う場所でまた出会います。そんな縁を大切に生きていくと、自分でも考えていなかった世界へと導かれるようです。
私は現在、知的障害者の地域生活を支援するNPO法人の理事長をしていますが、法人を立ち上げる時からビジネスパートナーとして支えてくれている友人は、金融業界で働いていた20代に、毎日レート引き合いの電話をしていた取引先銀行の人でした。
お互い旧姓でしたし、仕事以外では特別なお付き合いもなかったので、近所のママ友として横浜で再会しても、私はまったく気づきませんでした。でも彼女が私に気が付いてくれたおかげで、今も二人で試行錯誤しながら10人以上のスタッフと仕事をしています。
女子大での生活は、高校まで共学だった私にとって、男子に頼ってきたところも女子だけでできることを証明してくれた4年間でした。そんな経験から何でもトライしてみる精神が私に育まれたのだと思います。
今女子大の人気が落ちてきているといわれている中、ぜひ女子だけでトライする環境が整っていることを再アピールしてほしいと思います。
大学生という絶好の時期に、女子だけで様々なことにトライできた環境は、共学の大学では得られない素晴らしい経験だったと思います。
これからもたくさんの魅力ある女子を世の中に送り出し続ける大学であってください。
(*)2018年8月末執筆