三菱電機株式会社
住環境研究開発センター センター長
1985年 文理学部数理学科卒業
創立100周年おめでとうございます。
この記念に際し、卒業生として企画に参加することが出来たことを光栄に思うと共にうれしく思います。
私は、三菱電機に入社して34年目を迎えようとしています。入社以来23年は家庭用冷蔵庫の開発に従事し、今は空調・家電・住宅設備全般の研究開発を行っています。開発も「モノ創り」から「コト創り」に変化しており、その開発には柔軟な考え方が必要です。例えば「冷蔵庫をどう進化させるか?」という発想ではなく、「家事を効率的にするために何が必要か?」と考える必要があります。つまり冷蔵庫という「モノ」ではなく、家事という「コト」を考えて発想、開発するということです。そんな今、東女の「リベラル・アーツ教育」が大いに役立っていると感じています。専門分野と、自由な発想と幅広い視野を培う共通カリキュラムで学んだことが強みになっています。さらに数理学科で解析学を専攻したことで、論理的に自分の考えを相手に伝えることに役立つコミュニケーション能力を養えたと感謝しています。
また、生活面では4年間寮生活をしていました。先輩と又は後輩との二人部屋での生活は相手を思いやること、自分とは異なる考え方を理解することなど、社会での幅広い人間関係を構築する上で良い経験であったと振り返っています。今でもゼミや寮での友人とは交流があり、子育ての話題、子供の就職や結婚、はたまた介護や老後の話題まで人生の課題や生活を豊かにするための情報を共有する仲間として大切にしています。ゼミ仲間とは今でも年に一度集まっています。昨年(2017)は、寮仲間と九州旅行をするなど今でも癒しと刺激をもらっています。とても有難いことです。
思えば私が社会人になった1985年は男女雇用機会均等法が施行された最初の年でした。今では専業主婦の数より有職主婦の数が多くなりましたが、まだまだ女性の社会での歴史は浅いため、数々の困難もあると思います。しかし、東女で学んだことを自信に社会に貢献する女性として東女卒業生の活躍を祈念したいと思います。自分の強みと弱みを理解し、社会での役割、期待に応えて行きましょう。