メリルリンチ日本証券株式会社勤務

 

1986年 文理学部英米文学科卒業

 

 

 私は東京女子大学を卒業後、日本の金融機関に就職、その後外資系金融機関に転職、プラザ合意後の急激な円高の進行、バブルの崩壊やリーマンショックという世の中の大きな動きに直にふれながら職業人生を歩んで参りました。卒業後しばらくは母校から遠のいていましたが、数年前エンパワーメントセンター主催のワークショップに参加したのをきっかけに、女子大時代の友人の他に卒業生の何人かとの繋がりができ、50代に突入してから何やら東女に回帰しているように感じています。

 校歌の歌詞に「とこしへの扉をたたく旅人われ等」というくだりがあります。卒業してから今までの来し方を振り返りますと、扉をたたくということが何回もあったように思います。社会に出るべくおそるおそるたたいた最初の扉何の迷いもなくたたいた次の扉開けてみて戸惑った扉など、いくつもの扉がありましたが、結局のところ、どの扉の向こうもたたいて良かったと思える貴重な経験・体験ができた世界であり、さらに次のステージへとつながっていくものでした。
 そして昨年、なかなか勇気と気力がなくて開けようとしていなかった重たい扉を開けてみようという活力が急に沸き起こり、受験勉強に一念発起、合格。今年4月からとある社会人大学院に入学し、新たな学びを始めています。再び学生になり、様々な年齢や職業の同級生と共に学ぶという経験は心躍るものです。今までの仕事の経験に加えて、東女に回帰し、新たなつながりができ、ライフキャリアや生涯発達への関心が芽ばえたことでたたいてみた学びへの扉です。

 人生100年時代、今の自分の姿と重ね合わせながら、いかに自立し充実した人生を送り、自らを活かし続けられるのか、それが現在の私の関心事であり、大学院で研究していきたいテーマでもあります。実は100歳まで生きたらどうしようと互いに笑いながら心配していた東女時代からの生涯の友が2年前急逝しました。100歳まで生きたらこうなったよ、と彼女に笑って伝えたいなと思っています。

 時折訪ねる善福寺の美しいキャンパスは驚くほど私の学生時代の頃のたたずまいそのままです。しかし、創立100年を越え学部再編成など大きな変化もあり、大学自体も新しく扉をたたき続けて未来に向かって進化しているのだなと感じます。私もこれからいくつの扉をたたくことができるでしょうか。開いた扉の向こうに見えてくる新しい世界が楽しみです