プロ競技ダンサー
(齊藤ダンスガーデン所属)
JBDF東部総局スタンダードB級
JBDF東北ブロックスタンダードA級
商業インストラクター5級
2009年 文理学部心理学科卒業
私は現在、仙台でプロの競技ダンサーとして活動しています。専門は「スタンダード」という部門で、ワルツやタンゴが有名ですね。男性と女性が向かい合い「ホールド」と言われる枠を組んで踊るダンスです。昨今はテレビでも取り上げられる事が多い競技ダンスですが、スポーツとしてはもちろん、健康のためにも注目されています。
私は大学で「東京大学運動会競技ダンス部」に入部しダンスを始めました。正直な事を申し上げますと、東女を受験した理由は入試日程が早いからです。第一志望の国立大学へ向けて勉強したかった私は、「心理学が学べて二月の頭に入試がある」という理由だけで東女を選びました。そして今でも鮮明に覚えているのですが、東女の入試前、私はとても冴えていて問題がスルスル解けたのに、東女の入試を終えた次の日から、それまで解けていた問題がまったく分からなくなったのです。そんな状態で受けた国立大学はもちろん惨敗・・・。今思えば、見えない力が私を東女へ導いてくれていたのかもしれません。なぜなら、その国立大学には競技ダンス部が存在しなかったからです。
新歓のため、旧体育館で先輩方が披露してくれたダンスを見て、私は一目ぼれしてしまいました。それからというもの、頭の中はダンス一色。とにかく夢中になりました。そして三年生になり、自分の将来を考えた時、やりたい事はダンスしか思いつきませんでした。でも、その事は誰にも言えませんでした。学生時代にダンスで目立った成績を出せなかった私は、「プロになりたい」と言う勇気がありませんでした。そして、自分の本当の気持ちから目を背けて、一般企業に就職しました。
卒業して二年程経った頃でしょうか。心の奥底に封印していたはずのダンスへの気持ちがどんどん膨らんできて、自分ではどうしようもなかった時に、たまたま競技パートナーを探していた男性と知り合う事になります。その人が現在の夫です。彼は東北大学のダンス部の同期で、仙台市の隣にある名取市のダンス教室でプロとして活動していました。そしてありがたい事に、スタンダードの教師を探していた現勤め先のオーナーにも声をかけてもらえたのです。チャンスだ!と思いました。これを逃したら、もう次は来ないと。一度しかない人生、自分の本当にやりたい事をしたいと思った私は、心機一転、仙台でプロダンサーとしての道を歩む事を決めました。
こんな私がプロになる資格があるのだろうかと悩んだ事があります。でも今は、ダンスが好きだと胸を張って言える事自体が、プロになるための資格なのだと思っています。もし今、皆さんに夢中になれる事があるなら、その気持ちを大切にして欲しいなと思います。競技ダンスに出会えて、私はとても幸せです。東女に入学して、本当に良かったなと思います。