陶芸作家(主にオブジェやアクセサリー)
1988年 文理学部史学科卒業
私の大学の思い出は4年間の幸せな寮生活。
時を経てますます浄化され、寮生の皆さんのキラキラした笑顔ばかりが目に浮かびます。そして、木漏れ陽降り注ぎ四季折々の植物が香り立つ美しいキャンパスの小道。肝心のゼミや講義内容はほとんど憶えておらず…勿体なくもなんと贅沢な時間を戴いたことか…今もこれからもずっと心の財産です。
幼い頃から手を動かし形作る事に熱中する性質なので、いつか《創る人になりたい》という夢はありました。が、漠然としたままぼんやり過ごしてしまい、夢を仕事にできるとは大学在学中には思ってもいませんでした。
卒業後は数年OL〜雑誌編集を経て結婚、退職、出産、子育てと、一見平凡な暮らし。でもその内実は理不尽とも思える為す術が見つからない穴が空く連続です。
そんな《人生の穴》と共に暮らす最中も、探せばあちこちに愉しみは転がっているもの。陶芸もそのひとつでした。構想〜製作〜完成まで癒されながら没頭できるし、作品を誰かに喜んでいただけた時には何ものにも代え難い幸せを感じます。
陶芸事始めは長女が入学した小学校の《ママさん陶芸》への入部でした。
それまで心の底に溜まっていた《創りたい熱》が一気に沸騰し、一箇所では飽き足らず、近隣の公共施設での陶芸サークルに複数通い続けました。
作品を販売できるようになったきっかけは知り合った雑貨店主さんの「作品見せて」の一言から。
その後も家事育児の合間を縫ってコツコツと作り続け、作品を気に入ってくださったお客様、店やギャラリーの方々からのお誘いやリクエストに多少無理をしてでも可能な限り応えるようにしてきました。
陶芸を始めて今年で22年。有難い事に良縁が良縁を結ぶ連続で今に至っています。
暮らしを切り盛りしつつ、出会いの流れに乗っかってきた結果得ることができた私の仕事《陶芸》は、大学生活も含め今まで見聞きし経験してきた小さな幸せたちを、心に温め熟成させて小さな形に現す作業なのでは…と思う事があります。その作業は《好きこそものの上手なれ》から始まり、いつの間にか小規模ながら《誰かの役に立つ仕事》となり、やり甲斐を感じています。
これからも、少しでも需要があり目が見え手が動く限りは、戴いた縁を大切にして目の前の仕事を丁寧に続けていきたいと思っています。
創立100周年おめでとうございます。
service & sacrifice の精神が育まれた美しいキャンパスが末永く続く事をお祈りしています。