株式会社日本レストランエンタプライズ
執行役員
列車サービス本部 本部長付 アテンダント担当
1987年
文理学部日本文学科卒業
創立100周年、誠におめでとうございます。歴史ある本学で人生の大切な時期を過ごせたことが現在の私を創っています。
私も「女性の生涯にわたるキャリア」という大きなテーマに挑戦している者の一人であり、現在はJR東日本グループ(株)日本レストランエンタプライズで新幹線や首都圏普通列車グリーン車に乗務するアテンダントの育成、また東北・北海道、北陸新幹線グランクラスのサービス全般を担当しています。
北陸、北海道新幹線の開業にも立ち会い、早朝から深夜まで列車の仕事で熱意を持って働けるのは、自分を認めてくれる人がいることからであり、とても幸せなことだと感じています。
地方出身の私はアカデミックな雰囲気が溢れている本学に憧れて入りました。東京の大学に入ることも「寮があるなら」という条件で家族が許してくれました。
また当時は入学後に自分の進みたい道を探せるという点も魅力的でした。さらに寮生活で先輩後輩問わず仲良くなり、あたかも小説の中のような学生生活を送れたことも私の財産になっています。
大学の思い出は自転車で寮に帰る夕暮れの学内の静けさ、スロープで寝転んだ時の芝の匂い、チャペルの荘厳な雰囲気、夜に見るクリスマスツリーの煌めき、寮生で讃美歌を歌いながら行ったキャンドルサービス、そしてホッケー部のフィールドでの練習と次々と頭に浮かびます。
一つ一つが今から思うと宝石のようで愛しさを感じます。そして大学の精神であるService and Sacrificeもまさに「おもてなし」を追求する今の仕事に生きています。鉄道の仕事は地域の皆様と共にあり、この精神を忘れることはありません。
在学中の皆様にただ一つだけお伝えしたいことは「目の前にあることに全力で取り組むこと」です。必ずその道はつながっていて、試行錯誤しながら得た経験が活かせるときがやって来ることを実感しています。
卒業後就職しても自分の能力に対する不安や、自分自身の価値は何なのかなど悩んだ時期がありました。夫の転勤でブラジルに移住することが決まった際にも、これで自分の仕事はリセットなのかと悩みました。
ただ、その時に年の離れた友人に言われた、「全てのことは一つにつながっている」という言葉を胸に、海外でVIPのお客さまのアテンド業務などに携わったことが、帰国後現在の仕事である、グランクラスサービスの構築という点につながりました。故郷の金沢駅で北陸新幹線の開業に立ち会えた時は、まさに感無量でした。
本学で本当に良かったと思うことは、在学時に得た知己たちとの交流が卒業後30年以上続いていることです。
北寮の先輩後輩、ホッケー部の仲間、一年に一回の園遊会で会える貴重な友人です。また偶然同窓生にお目にかかると「東女出身」ということでとても近しくなれます。
仕事は一人ではできるものではなく、縁があってこそのものだと感謝するとともに、この先の100年も「東女出身」と誇りを持って語れるような大学であってほしいと願うばかりです。