成蹊中学・高等学校教諭

2007年
文理学部日本文学科

2009年
文学研究科修士課程日本文学専攻修了

 

東京女子大学100年の節目に際し、このように寄稿できますことを嬉しく思っております。

学部生の頃の私は、東京女子大学学会の学生研究奨励費制度を利用した幾つかの研究会に所属しておりました。
伝統工芸に携わる職人の方や、平安時代から続く老舗の方にお会いし、お話させていただいたことや、普段目にすることのできないような道具や本に触れたこと、先生方と先輩方のレベルの高い会話に右往左往した経験が、私の視野を大きく広げてくれたように思います。

 

特に修士課程に在籍し、院生生活を送っていた頃は私にとって青春そのものといってよい時間でした。

先輩が発表間近になると本をトランクに詰めて院生室にきたこと、発表者がいるとみんなで印刷や準備をしてバタバタしたこと、皆遅くまで研究していたことなどが鮮やかに思い出されます。

 

1学年6名定員という少人数の院ですから同じゼミの同級生はいませんでしたが、ゼミを横断して互いに研究の話をし合ったことが自身の研究を多角的にしてくれましたし、今教員として仕事をする上での土壌となったように思います。

そうした間にお昼ごはんを食べたり紅茶を飲みながら、今日の服の話や、結婚を控えた先輩の結婚準備話に花を咲かせたり、院生室のみんなで一つのドラマにはまったり、今思えば本当に女子学生の賑やかで楽しい雰囲気にあふれていました。

 

そして、先生方の研究室にもよくお邪魔していました。ゼミの今井久代先生はもちろん、研究会のアドバイザーをして下さっていた先生、授業でお世話になった先生のもとへもよく質問に伺っていました。

嫌な顔一つせず、未熟な質問に丁寧に答えてくだったことを、先生方のおっしゃる様子や研究室の雰囲気とともに思い出します。先生方のお答えは、今でも折に触れ思い出され、教員として教えていく指針となっています。

 

このように先生方や先輩、同級生と密な時間を過ごせたことは、本学ならではだと思います。今後も学生の皆さんが有意義で実りのある時間を過ごされることと、東京女子大学の益々のご発展を祈念しております