日本ソムリエ協会認定 ソムリエ

1969年 短大 教養科卒業

 

東京女子大学と私

 私が東京女子大学短期大学を卒業したのは、1969年,今から丁度50年前の事になります。牟礼キャンパスが始まって2回目の入学で、たった2年間の学生生活でしたが、九州から上京しての寮生活で、よく学びよく遊び、充実した学生生活でした。短大ではキリスト教学の川村先生の担任で、クラスの皆と先生のお宅を訪問したりして、学生と先生の距離がとても近かったのを覚えています。クラブはオルフェウスクラブに入り、マンドリンを弾いていました。コンサート前は、合宿して練習しました。
 卒業後暫くして結婚して、初めての土地である熊本での生活が始まりました。慣れない土地で不安もありましたが、東女熊本支部に入ってからは 友人の輪が広がりました。
 子育ても一段落した頃、家業である酒卸会社で働き始めました。ワインに興味が湧き、1988年にワインアドバイザーの資格を取得しました。その頃までは、輸入代理店を通して仕入れをしていたワインを、丁度ブームになっていたボージョレヌーボーを直接フランスからコンテナ一台 750ケースを輸入。苦心して売り上げた時の嬉しさは、忘れることができません。学生時代に学んだ英語が大いに役立ったことは言うまでもありません。
 その後会社の方針でオーストラリアの自然化粧品を輸入販売し、日本各地に30店舗を展開しました。これも楽しい思い出となっています。

 

 60歳代になり退職し、これからどのように生きて行こうかとふと立ち止まり周りを見回すと、東女卒の友人達が生き生きと毎日を暮らしているのを見聞きしました。
 時間も出来、子供達もそれぞれ独立して 海外への旅をした時、訪れた国の言葉で話せたら旅はもっと楽しくなると思いました。そこで、それまで学んでいた英語に続いて、韓国語、イタリア語を毎週の学びの中に取り入れました。
 特にイタリアは23州あるいろんな地方に独特の個性的で美味しいワインと文化があり おいでおいで〜!と招いてくれています。言葉ももう少し深く知りたいと 4、5年前から夏にはフィレンツェにある語学学校に行くようになり、イタリア人の家庭にホームステイしながら まるでその町で暮らすように滞在しています。
 イタリアには美しい美術や工芸品などがあります。特にその中でもヴェネチアンビーズは、これぞ職人技と思わせる凝ったビーズが 現地に行くと手に入るのです。市販のネックレスより、材料を求め自分で作るという面白さはたまりません。

ヴェネチアンビーズ

 今年も一月にムラーノ島に行きました。そしてビーズをたくさん仕入れて来ました。帰ってからまだ間もないのに、またすぐに行きたくなります。
 2018年の園遊会のバザーでその自作のネックレスを販売させていただきましたが、何と80個以上のお買い上げがありました。初めての参加でしたが、ビギナーズラックで全ブースの中で上位の売り上げだったそうです。少しだけ、母校にご恩返しが出来たかととても嬉しく思っています。

 

 大学時代の友人に恵まれ、今は年に一度秋に、オルフェウスの仲間と日本各地を旅行しています。また、東女熊本支部のメンバーとして30年以上続いている英語講読の読書会に参加して、月2回程8名で英語の本を読んでいます。清野公子さん(1963年英米文学科卒)のリーダーシップが素晴らしく、お弁当持参で楽しく語らっています。

 

 高齢化社会を迎える私達がこれからどう生きていけばいいのか。この語らいの中から得るものが多いのです。同じ地域で生きていく上で、たまたま同じ大学で学んだというだけでこの深い繋がりができるというのも、東京女子大学の魅力ではないかと思っています。
 大学時代にもう少し勉強をやっておくんだったと反省することばかりですが、少しでも自分を世の中の役に立たせたい。そして学ぶことを辞めない。と決心したことが 学生時代の収穫だと思っています。
 語学は今後も続けていくつもりですし、マンドリンも退職後に熊本マンドリン協会に所属して、40年ぶりに再開して始めたマンドラで年に1度のコンサート、また盲学校や病院でのボランティアコンサートにも度々参加しています。ビーズ作りはお店では買えない「心」を込め、それを使ってくださる方の喜ぶ顔を思い浮かべながら、その作る時間を楽しんでいます。

 

松尾久美子(娘)2002年英米文学科卒

娘が一人おります。松尾久美子。彼女も2002年東京女子大学英米文学科卒です。同じ大学の卒業生である二人でよくお互いの友達自慢をしています。娘は今、同窓会福岡支部のお手伝いをさせていただいているようですが、先輩との関わりの中で得ることが多いというのです。私も卒業後の人生において、母校から大いなる恩恵をいただいていると感じています。

 次の100年母校がどのような発展を遂げていくのか見守りつつ、これからの私の人生も大いに母校と関わりを続けながら 毎日を大切に充実して楽しい人生を送りたいと願っています。