公益財団法人ジョイセフ 開発協力グループ
シニア・プログラム・オフィサー


1992年
文理学部英米文学科卒

 

 

私は2001年より、国際協力NGOジョイセフで、世界の妊産婦と女性の命と健康を守る活動に取り組んでいます。主に途上国の女性や若者のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)に関わる健康教育や人材育成に携わってきました。

出合いは、大学4年生の時。たまたま、学生課の掲示板にアルバイトの募集を見つけたのがきっかけです。ジョイセフとその姉妹団体には、これまでも東京女子大学の先輩がいて、信頼される仕事ぶりに多くを学びました。

私が関わったのは、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ地域14カ国での活動です。現地の人たちの特徴ある英語に鍛えられ、触れる中、社会言語学や言語学概論で学んだことを実体験する場面もあり、多様な仕事相手の文化的背景を理解するのに役立ちます。今はスーダンに出張することが多くなりました。

 

女子大には、1988年に推薦2期生として入学しました。第1期入学の高校の先輩に様子を聞くと、「こじんまりしていて、面倒見がいい。勉強するにはよい環境」ということでした。男子校の面影を残す都立高校出身のためか、キャンパスの雰囲気になじむのに時間がかかりましたが、2年の時に合気道部に入り、居場所や仲間もでき、また言語学(英文法)のゼミで学問の楽しさに出合いました。

1年の時に参加した宗教センター主催のゼミは、今なお心に残る思い出です。YMCA野辺山高原センターで、大学・短大合同で、学科も学年も違う先輩たちと一緒に深夜まで語り合い、充実した数日を過ごしました。あの時の会話が今の自分に何か影響を与えているように思います。

 

女子大とのつながりは、卒業してからも続いています。文理学部英米文学科の恩師のお宅に毎年ゼミ生が集い、近況報告など交流を深めました。また卒業生の自主グループに入り、幅広い年代の同窓生とつながる機会ももっています。

その時々で与えられる学びや出合いの機会を大切にしたことが、今でも自分の取り組みに活かされると感じています。学生の皆さんには、自分の関心とは少し違うと思っても在学中にしかできない体験や機会の活用をお勧めします。

2000年頃米国留学中に「自分の夢はたくさんの人に話しなさい。そうすると、誰かが誰かにあなたをつないでくれる」とアドバイスされました。時々この言葉を思い出し、実行することで、いろいろなご縁や機会に恵まれて感謝しています。

 

住民主体で行われる健康教育のための教材活用研修にて(筆者中央)

住民主体で行われる健康教育のための教材活用研修にて(筆者中央)