地理学博士、韓国語・韓国文化非常勤講師

1995年 現代文化学部地域文化学科卒業 
                                                                        朝鮮文化専攻

 

 

1.現在のとりくみ

計5つの大学で韓国語および韓国文化に関する講義をしています。韓国語が女子学生により人気があるからか、女子大での講義が多いです。講義は十分なエネルギーが必要です。演劇の舞台や落語の高座に上がる気分でスイッチを入れ、楽しくやるように心がけています。

人生の大きなテーマが「文武両道」なので、今は水泳に取り組んでいます。40過ぎてから始めたので早くは泳げませんが、マスターズのチームに入り、大会にも出ています。個人メドレーが一番好きです。水泳技術の習得過程は、韓国語習得の過程と似ているところがあります。こつこつ積み重ねていくところ、踊り場が(思ったより)長いところ、うまくなるとやりがい、喜びを感じられるところです。長く続けたいです。

 

2.入学のきっかけと大学時代の思い出

小さい頃から海外のドラマや海外を紹介する番組が大好きで、特にものごとをはっきり言ってもいい文化に衝撃を受けました。大学では第2外国語で韓国語を学べるところを探していました。現代文化学部地域文化学科はその二つを叶えてくれる学科でした。

入学後、池明観先生の指導の下、朝鮮文化ゼミの先輩方が日韓学生交流などに積極的に行っていることを知り、1年の時誠信女子大学との交流の受け容れボランティアに参加しました。これをきっかけに同世代の韓国の友人ができ、韓国語や韓国文化へより興味を持つようになりました。2年生の時には訪韓し、3年の時も代表の一人として受け容れに参加しました。飯田橋のユースホステルで夜ゲームをしたり、話をしたりしたことを今でも覚えています。

 

3.卒業後の歩み

大学入学当初から、海外に出たいと思っていたので韓国留学は自然な流れでした。「大学院=研究者=日本の大学院進学」という生き方(⁈)を先生方からも勧められたのですが、どうしても実際の韓国の人々の考え方を見てみたいという気持ちが強く、韓国への進学を決めました。行き先をソウル大にできたのは、韓国の友人達の勧めや助け、指導教官の李敏鎬先生をはじめ、東女で韓国関連の授業を担当されていた先生方の推薦状、その他周りの先輩方の力などによるところが99%でした。感謝しています。卒業後、大学院で9年、韓国の私大の教員として8年の計17年間を韓国で過ごしました。

 

4.大学での学びと現在

自分にとって大学は教養を学ぶところ以上に、将来のキャリアの基礎を作る場所でした。当時浪人をしたことでこのような意識を持つようになったと思います。大学で出会った韓国語、韓国の友達、先生方全てが今の私の基礎となっています。

 

5.東京女子大へのメッセージ

当時、兼若逸之先生のお計らいあって日本に帰国してすぐ東女で講義ができるようになり、現在後輩を教えて7年目です。学びのスタートとゴールの場を与えてくれた東女に感謝しています。現在他大でも教えていますが、東女の位置や学問の環境、キャンパスの美しさは他の大学と比較しても大変恵まれていると言えます。今後の大学は高等教育機関としての役割の継承だけでなく、時代のニーズに合った、時代に先だってニーズを開拓していく積極的な姿勢が求められると思います。他大や他地域との連携、地域の生涯学習機関としての役割などもそうですが、海外からの学生や教員とも幅広く交流し、東女にいる者の好奇心、潜在力を解放してくれる「知の空間」となってくれるよう願ってやみません。